【読了】「本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR」
今回はこちらの書籍の感想文。
前置き
OKRは以前にも以下の書籍を読んだことはあったが、会社で目標設定に関する取り組みが新しいフェーズに入ることもあり、手に取った。
OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法
- 作者: クリスティーナ・ウォドキー,及川卓也(解説),二木夢子
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2018/03/15
- メディア: 単行本
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要約
第1章〜2章では、そもそもなぜ「目的」が必要なのかを、「組織」と「集団」の違いなどが挙げられながら述べられている。
共通の目的」を、個人で達成するのではなく、他の人と「協力して達成を目指す」ことで「組織」となります。
組織の共通の目的に共感できないのであれば、組織にいる理由はない、と言えるほど「目的|」は重要。
たとえ、「自分の目的」と「組織の目的」が合わないと感じるような場合でも、まずはトライしてみましょう。そのうえで、「組織の目的」にどうしても共感できない場合は、別の組織に行くというのが、個人にとっても、組織にとってもプラスになるでしょう。そもそも、組織は共通の目的を達成するために複数の人が集まったものです。共通の目的に共感できないのであれば、同じ組織にいる理由はありません。
そして、組織の力とは個々人の力を合わせたもの、個人のパフォーマンスを最大化させるのにも目的が重要になってくる。
個人の力の単純合計に、相乗効果(プラスの場合もあれば、マイナスの場合もあります)を加えたものが、組織力
個人の力は最大出力と発揮率の掛け算となります。
成長につながるのは、今の状態では背伸びしてやっと届くか届かないかのところにある目標で、「ストレッチゾーン」と呼ばれます。背伸びして挑戦することになるので目標に対して不安やストレスを感じることになり、快適で居心地がいいゾーンではありません。
組織における個人の力を最大限発揮させるには、自律を促し、組織の透明性を保つ事、心理的安全性の確保が重要。
人は「自律」してこそ、初めて持っている力を最大限発揮することができます。上司の指示命令に基づき言われたことを言われたとおりに行っているだけの状態は、自律ではありません。自分で計画し、自分で自分を律しながら行動することが、自律です。
同じ情報に触れる機会を持つことで、自律のために必要な方向性や役割を正しく理解することができます。組織の透明性を高めることは、組織や他のメンバーへの信頼を高めることにもつながります。社長が何を考えているのか、隣の部署がどんなことをしているのか知らない状態でお互いを信頼し合うことは不可能です。
第4章以降でOKRについて語られていくことになりますが、その前にいったん第3章で、なぜ目標設定がうまくいかないのかという問題点の指摘から、変えるべきは「意識」という話が展開される。
うまくいかない例として、目標が組織内で共有されていなかったり…
たとえば、同じ仕事をしている Aさんと Bさんがいたとします。そして、 Aさんは新たな取り組みに挑戦し、目標を高く 200と設定し、一方 Bさんは現状の延長線上で保守的に 100と目標設定しました。この 2人の実績が、 Aさん 150、 Bさん 120となった場合、どのような評価がなされるでしょうか?多くの場合、 Aさんは達成率 75%で目標未達成と低く評価され、 Bさんは達成率 120%で高く評価されます。高い目標を掲げ、それに挑戦し、高い実績を出した Aさんの方が Bさんより低く評価されてしまうのです。このような仕組みのもとでは、誰も高い目標を立てて挑戦しようとは思わなくなるでしょう。
以下のように挑戦が評価されない仕組み例が挙げられている。
たとえば、同じ仕事をしている Aさんと Bさんがいたとします。そして、 Aさんは新たな取り組みに挑戦し、目標を高く 200と設定し、一方 Bさんは現状の延長線上で保守的に 100と目標設定しました。この 2人の実績が、 Aさん 150、 Bさん 120となった場合、どのような評価がなされるでしょうか?多くの場合、 Aさんは達成率 75%で目標未達成と低く評価され、 Bさんは達成率 120%で高く評価されます。高い目標を掲げ、それに挑戦し、高い実績を出した Aさんの方が Bさんより低く評価されてしまうのです。このような仕組みのもとでは、誰も高い目標を立てて挑戦しようとは思わなくなるでしょう。
そんな状況を変えるにはまず「意識を変えること」。意識を変えるのは難しいので、「仕組み」を変えること、作ることが重要。
自分の意識を変えることも難しいですが、もっと難しいのが他人の意識を変えることです。家族、友人の意識を変えることはもちろん、会社において複数のメンバーの意識を変えるのはとても難しいことです。
メンバーの意識を変えようとして悩む前に、仕組みを作ることで解決できることも知っておくべきです。多くの場合そのほうが効率的かつ効果的です。さらに、リーダー個人の資質に依存しないため、再現性、持続性も高いと言えます。
そこで「仕組み」として提唱されるのがOKR。
再び前述の組織における透明性の重要性、目的、目標が共有されない問題点が指摘され、OKRではそれらが解決する機能かあることが述べられる。
先が見通せない夜道を歩くとき、不安を感じ、すれ違う人のことを警戒してしまうものです。同じように、組織内で何が起きているのか見えていなかったり、すぐ側にいる人が何を考えているのかが分からないとき、不安や不信が芽生えてきます。
従業員との信頼関係を構築するためには、受注がどれほどあり、それが計画からどれくらい遅れているのか、また利益がどれくらい出て、それがどのように使われているのかなど、会社の置かれている現況について、幹部だけではなく末端の社員にも、よく見えるような「ガラス張りの経営」でなければなりません。
以降、
第5章ではOKRの始め方、
第6章ではOKRの運用、
第7章ではOKR運用実例インタビューという構成になっている。
まとめ
この読了記事を変えて改めて思ったのは、自分はOKRに魅力を感じたのはやはり透明性と情報共有が成されていく点なのかなと感じた。
企業組織における目標設定と、目標に対する行動は個々人の組織内での評価へとつながっていくことになる。
評価で納得感を得るためには、組織における共通の目的=ミッション、ビジョン、バリューが共有され、その目的、目標に対してどんな行動をとった人が評価されるべきかが、メンバー内で共通認識できている必要がある。
以下の一文はそれらを明確に示している。
自分が「成果」に対してどれだけ貢献しているか、周りの「成果」はどんな状態かを知り、どうやったら「成果」があがるか考え続けることで、なれ合いを生まない組織になります。そのような組織は、妥協案を探るような議論をすることなく、成果をあげるために、ときに衝突しながらも、最適な案を生み出していけるでしょう。