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ソフトウェアエンジニアは進化型(ティール)組織の夢を見るのか

ティール組織」を読み終えた。 

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

 

概要

・人類は、意識が新たな段階に移動するたびに、新しい組織モデルを生み出してきた

・人類のパラダイムと組織の在り方は以下のように進化してきた
 ・受動的(無色)

 ・神秘的(マゼンタ)

 ・衝動型(レッド)

 ・順応型(アンバー)

 ・達成型(オレンジ)

 ・多元型(グリーン)

・そして、最も先進的な組織が進化型(ティール)

ティール組織は以下のような特徴をいずれかあるいは全て備えている

 ・自主経営(セルフマネジメント):階層やコンセンサスに頼ることなく、同僚との関係性の中で動くシステム。

 ・全体性(ホールネス):だれもが本来の自分で職場に来ることができ、同僚・組織・社会との一体感をもてるような風土や慣行がある

 ・存在目的:組織自体がなんのために存在し、将来どの方向に向かうのかを常に追求し続ける姿勢を持つ

 

ソフトウェアエンジニアに本書はためになるのか?

 本書では、著者が調査した実際のティール組織における活動や具体例も、数多く紹介されている。

(調査対象には日本のインターネット企業「オズビジョン」も挙げられている)

 

また、完璧な予測はせず、すぐに実行可能な解決策を狙い、新しい情報が入ればすぐに改善が図られるといったティール組織の意思決定プロセスは、リーン生産方式やアジャイル開発が核心にある、といった記述もある。

本書で紹介されているオランダの訪問看護組織ビュートゾルフの創業者は、スクラムの生みの親、野中郁次郎のファンであるという話も興味深い。

ソフトウェアエンジニアにとっては、従来型の組織構造から進化した組織の一つの形として、アジャイルな状態の組織がイメージしやすいのではないかと思う。

 

紹介されているティール組織のプラクティスの中でも、

 ・チームミーティングのファシリテーション

 ・階層を持たない代わりに存在する「コーチ」の役割

 ・社員間の紛争の解決手続き

 ・チームの価値観を共有するための組織慣行

  (この中でオズビションの「Good Or New」というプラクティスに惹かれたが、今は終了してしまったらしい・・・参考:組織は変化し成長する。『ティール組織』に登場したオズビジョンの当時と今(やつづかえり) - 個人 - Yahoo!ニュース

 といった内容は従来型組織におけるチームビルディングやマネジメントにも十分適用できるのではないかと思われるし、また著者は本書の後半で以下のようにも述べてくれている。 

 

 本書は、理論的なモデルや理想的なアイデアではなく、真似され、普及されることを待っている現実を取り扱っている。ここに示した事例を読んで、読者であるあなたや多くの人々が刺激を受け、「自分もやってみよう!」という気になってくれれば本望である。 

 

 今自分が所属している組織を、いきなりティール組織に変化させていくことが出来なくても、ティール組織のプラクティスを参考にして組織とそこに所属する人々のパラダイムを刺激することは十分可能なのではないか。